第七章 再審


(再審の請求)
第百七十一条 
確定した取消決定及び確定審決に対して
は、当事者又は参加人は再審を請求することができる。
2 民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
(平六法一一六・平八法一一〇・一部改正)


第百七十二条 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
2 前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。


(再審の請求期間)
第百七十三条
 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
2 再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
3 請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。
4 取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。
5 再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。
6 第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。
(平六法一一六・一部改正)


(審判の規定等の準用)
第百七十四条
 第百十四条、第百十六条から第百二十条まで、第百二十条の四から第百二十条の六まで、第百三十一条、第百三十二条第三項、第百五十四条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十六条の規定は、確定した取消決定に対する再審に準用する。
2 第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条から第百六十条まで、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、第百二十一条第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
3 第百三十一条、第百三十二条第一項、第二項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条から第百五十二条まで、第百五十四条から第百五十七条まで、第百六十七条、第百六十八条、第百六十九条第一項、第二項、第五項及び第六項並びに第百七十条の規定は、第百二十三条第一項又は第百二十五条の二第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
4 第百三十一条、第百三十二条第三項及び第四項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第四項、第百三十五条から第百四十七条まで、第百五十条から第百五十二条まで、第百五十五条第一項、第百五十六条、第百五十七条、第百六十五条、第百六十八条、第百六十九条第三項から第六項まで並びに第百七十条の規定は、第百二十六条第一項の審判の確定審決に対する再審に準用する。
5 民事訴訟法第三百四十八条第一項(審理の範囲)の規定は、再審に準用する。
(昭六二法二七・平五法二六・平六法一一六・平八法六八・平八法一一〇・一部改正)


(再審により回復した特許権の効力の制限)
第百七十五条
 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
2 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
一 当該発明の善意の実施
二 特許が物の発明についてされている場合において、善意に、その物の生産にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
三 特許が方法の発明についてされている場合において、善意に、その発明の実施にのみ使用する物を生産し、譲渡し、貸し渡し、若しくは輸入し、又はその譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為
(昭六二法二七・平六法一一六・一部改正)


第百七十六条 取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
(昭六二法二七・平六法一一六・一部改正)


第百七十七条
 削除
(昭三七法一六一)



第八章 訴訟
(昭五三法三〇・旧第九章繰上)


(審決等に対する訴え)
第百七十八条
 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書又は審判若しくは再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。


2 前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り提起することができる。


3 第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。


4 前項の期間は、不変期間とする。


5 審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。


6 審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
(平五法二六・平六法一一六・一部改正)


(被告適格)
第百七十九条
 前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官被告としなければならない。ただし、第百二十三条第一項若しくは第百二十五条の二第一項の審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
(昭四五法九一・昭六二法二七・平五法二六・一部改正)


(出訴の通知)
第百八十条
 裁判所は、前条ただし書に規定する訴の提起があつたときは、遅滞なく、その旨を特許庁長官に通知しなければならない。


(審決又は決定の取消)
第百八十一条
 裁判所は、第百七十八条第一項の訴の提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。
2 審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消の判決が確定したときは、さらに審理を行い、審決又は決定をしなければならない


(裁判の正本の送付)
第百八十二条
 裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴について訴訟手続が完結したときは、遅滞なく、特許庁長官に各審級の裁判の正本を送付しなければならない。


(対価の額についての訴え)
第百八十三条
 第八十三条第二項、第九十二条第三項若しくは第四項又は第九十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
2 前項の訴えは、裁定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後は、提起することができない。
(昭三七法一四〇・昭五〇法四六・一部改正)


(被告適格)
第百八十四条
 前条第一項の訴えにおいては、次に掲げる者を被告としなければならない。
一 第八十三条第二項、第九十二条第四項又は第九十三条第二項の裁定については、通常実施権者又は特許権者若しくは専用実施権者
二 第九十二条第三項の裁定については、通常実施権者又は第七十二条の他人
(昭五〇法四六・一部改正)


(不服申立てと訴訟との関係)
第百八十四条の二
 この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分(第百九十五条の四に規定する処分を除く。)の取消しの訴えは、当該処分についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を経た後でなければ、提起することができない。
(昭三七法一四〇・追加、昭四五法九一・平六法一一六・一部改正)




第九章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例
(昭五三法三〇・追加)


(国際出願による特許出願)
第百八十四条の三
 千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条(1)若しくは(2)(b)又は第十四条(2)の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条(1)(U)の指定国に日本国を含むもの(特許出願に係るものに限る。)は、その国際出願日にされた特許出願とみなす。
2 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願(以下「国際特許出願」という。)については、第四十三条の規定は、適用しない。
(昭五三法三〇・追加)


(外国語でされた国際特許出願の翻訳文)
第百八十四条の四
 外国語でされた国際特許出願(以下「外国語特許出願」という。)の出願人は、条約第二条(XI)の優先日(以下「優先日」という。)から一年八月(優先日から一年七月以内に条約第三十三条に規定する国際予備審査の請求をし、かつ、条約第三十一条(4)(a)の規定に基づき日本国を選択国として選択した国際特許出願にあつては、優先日から二年六月。以下「国内書面提出期間」という。)以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条(2)に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)及び要約の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の場合において、外国語特許出願の出願人が条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、同項に規定する請求の範囲の翻訳文に代えて、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を提出することができる。
3 国内書面提出期間内に第一項に規定する明細書の翻訳文及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文の提出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げられたものとみなす。
4 第一項に規定する請求の範囲の翻訳文を提出した出願人は、条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、国内書面提出期間が満了する時(国内書面提出期間内に出願人が出願審査の請求をするときは、その請求の時。以下「国内処理基準時」という。)の属する日までに限り、当該補正後の請求の範囲の日本語による翻訳文を更に提出することができる。
5 第百八十四条の七第三項本文の規定は、第二項又は前項に規定する翻訳文が提出されなかつた場合に準用する。
(昭五三法三〇・追加、昭六〇法四一・昭六二法二七・平二法三〇・平六法一一六・一部改正)


(書面の提出及び補正命令)
第百八十四条の五
 国際特許出願の出願人は、国内書面提出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。
一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 発明者の氏名及び住所又は居所
三 国際出願番号その他の経済産業省令で定める事項
2 特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
一 前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
二 前項の規定による手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
三 前項の規定による手続が経済産業省令で定める方式に違反しているとき。
四 前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間内に提出しないとき。
五 第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を国内書面提出期間内に納付しないとき。
3 特許庁長官は、前項の規定により手続の補正をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないときは、当該国際特許出願を却下することができる。
(昭五三法三〇・追加、昭五九法二三・昭六〇法四一・昭六二法二七・平二法三〇・平五法二六・平六法一一六・平八法六八・平一〇法五一・平一一法一六〇・一部改正)


(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
第百八十四条の六
 国際特許出願に係る国際出願日における願書は、第三十六条第一項の規定により提出した願書とみなす。
2 日本語でされた国際特許出願(以下「日本語特許出願」という。)に係る国際出願日における明細書及び請求の範囲並びに外国語特許出願に係る国際出願日における明細書及び請求の範囲の翻訳文は第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲及び外国語特許出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した明細書に記載した特許請求の範囲と、日本語特許出願に係る国際出願日における図面並びに外国語特許出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く。)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語特許出願に係る要約及び外国語特許出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
3 第百八十四条の四第二項又は第四項の規定により条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、国際出願日における明細書の翻訳文及び当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第三十六条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を同項の規定により願書に添付して提出した明細書に記載した特許請求の範囲とみなす。
(昭五三法三〇・追加、昭六〇法四一・昭六二法二七・平二法三〇・平六法一一六・一部改正)
(日本語特許出願に係る条約第十九条に基づく補正)
第百八十四条の七 日本語特許出願の出願人は、条約第十九条(1)の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、同条(1)の規定に基づき提出された補正書の写しを特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の規定により補正書の写しが提出されたときは、その補正書の写しにより、願書に添付した明細書に記載した特許請求の範囲について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、条約第二十条の規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
3 第一項に規定する期間内に日本語特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第十九条(1)の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
(昭五三法三〇・追加、昭六二法二七・平六法一一六・一部改正)


(条約第三十四条に基づく補正)
第百八十四条の八
 国際特許出願の出願人は、条約第三十四条(2)(b)の規定に基づく補正をしたときは、国内処理基準時の属する日までに、日本語特許出願に係る補正にあつては同条(2)(b)の規定に基づき提出された補正書の写しを、外国語特許出願に係る補正にあつては当該補正書の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の規定により補正書の写し又は補正書の翻訳文が提出されたときは、その補正書の写し又は補正書の翻訳文により、願書に添付した明細書又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなす。ただし、日本語特許出願に係る補正につき条約第三十六条(3)(a)の規定に基づき前項に規定する期間内に補正書が特許庁に送達されたときは、その補正書により、補正がされたものとみなす。
3 第一項に規定する期間内に国際特許出願の出願人により同項に規定する手続がされなかつたときは、条約第三十四条(2)(b)の規定に基づく補正は、されなかつたものとみなす。ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
4 第二項の規定により外国語特許出願に係る願書に添付した明細書又は図面について第十七条の二第一項の規定による補正がされたものとみなされたときは、その補正は同条第二項の誤訳訂正書を提出してされたものとみなす。
(平六法一一六・全改)


(国内公表等)
第百八十四条の九
 特許庁長官は、第百八十四条の四第一項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願について、特許掲載公報の発行をしたものを除き、国内書面提出期間の経過後(国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求があつた国際特許出願であつて条約第二十一条に規定する国際公開(以下「国際公開」という。)がされているものについては、出願審査の請求の後)、遅滞なく、国内公表をしなければならない。
2 国内公表は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。
一 出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許出願の番号
三 国際出願日
四 発明者の氏名及び住所又は居所
五 第百八十四条の四第一項に規定する明細書及び図面の中の説明の翻訳文に記載した事項、同項に規定する請求の範囲の翻訳文(同条第二項に規定する翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)及び同条第四項に規定する翻訳文に記載した事項、図面(図面の中の説明を除く。)の内容並びに要約の翻訳文に記載した事項(特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるものを除く。)
六 国内公表の番号及び年月日
七 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
3 第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約の翻訳文に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
4 第六十四条の規定は、国際特許出願には、適用しない。
5 国際特許出願については、第四十八条の五第一項、第四十八条の六、第六十六条第三項ただし書、第百二十八条、第百八十六条第一項第一号及び第二号並びに第百九十三条第二項第一号、第二号、第六号及び第九号中「出願公開」とあるのは、日本語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国際公開」と、外国語特許出願にあつては「第百八十四条の九第一項の国内公表」とする。
6 外国語特許出願に係る証明等の請求については、第百八十六条第一項第一号中「又は第六十七条の二第二項の資料」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第三条(2)に規定する国際出願の願書、明細書、請求の範囲、図面若しくは要約(特許権の設定の登録がされた国際特許出願に係るもの又は国際公開がされたものを除く。)」とする。
7 国際特許出願に関し特許公報に掲載すべき事項については、第百九十三条第二項第三号中「出願公開後における」とあるのは、「国際公開がされた国際特許出願に係る」とする。
(昭五三法三〇・追加、昭六〇法四一・昭六二法二七・平二法三〇・平五法二六・平六法一一六・平一〇法五一・平一一法四一・一部改正)


(国際公開及び国内公表の効果等)
第百八十四条の十
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願については国際公開があつた後に、外国語特許出願については国内公表があつた後に、国際特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、日本語特許出願については国際公開がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、外国語特許出願については国内公表がされた国際特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に、業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
2 第六十五条第二項から第五項までの規定は、前項の規定により請求権を行使する場合に準用する。
(昭五三法三〇・追加、平六法一一六・平一〇法五一・平一一法四一・一部改正)
(在外者の特許管理人の特例)
第百八十四条の十一 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
2 前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
3 前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
(昭六〇法四一・追加、昭六二法二七・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十の二繰下、平一一法一六〇・一部改正)


(補正の特例)
第百八十四条の十二
 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第十七条第一項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第百八十四条の七第二項及び第百八十四条の八第二項に規定する補正を除く。)をすることができない。
2 外国語特許出願に係る明細書又は図面について補正ができる範囲については、第十七条の二第二項中「第三十六条の二第二項の外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第四項の規定により明細書及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書若しくは図面))」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第百八十四条の三第二項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第百八十四条の四第一項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第二項又は第四項の規定により千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第十九条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を提出して明細書又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書若しくは図面)」とする。
3 国際特許出願の出願人は、第十七条の三の規定にかかわらず、優先日から一年三月以内(第百八十四条の四第一項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願のうち、国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求のあつた国際特許出願であつて国際公開がされているものについては、出願審査の請求があつた後を除く。)に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
(昭五三法三〇・追加、昭五九法二三・昭六〇法四一・昭六二法二七・平五法二六・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十一繰下・一部改正、平一一法四一・一部改正)


(特許要件の特例)
第百八十四条の十三 
第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第二十九条の二の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第百八十四条の四第三項又は実用新案法第四十八条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第百八十四条の四第一項の外国語特許出願又は同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(平六法一一六・追加)


(発明の新規性の喪失の例外の特例)
第百八十四条の十四
 第三十条第一項又は第三項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号の一に該当するに至つた発明が第三十条第一項又は第三項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、同条第四項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
(昭六〇法四一・追加、昭六二法二七・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十一の二繰下、平一一法四一・平一一法一六〇・一部改正)

(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第百八十四条の十五
 国際特許出願については、第四十一条第四項及び第四十二条第二項の規定は、適用しない。
2 日本語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
3 外国語特許出願についての第四十一条第三項の規定の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」とする。
4 第四十一条第一項の先の出願が国際特許出願又は実用新案法第四十八条の三第二項の国際実用新案登録出願である場合における第四十一条第一項から第三項まで及び第四十二条第一項の規定の適用については、第四十一条第一項及び第二項中「願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第三項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書又は図面」とあるのは「先の出願の第百八十四条の四第一項又は実用新案法第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「について出願公開」とあるのは「について千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、第四十二条第一項中「その出願の日から一年三月を経過した時」とあるのは「第百八十四条の四第四項若しくは実用新案法第四十八条の四第四項の国内処理基準時又は第百八十四条の四第一項若しくは同法第四十八条の四第一項の国際出願日から一年三月を経過した時のいずれか遅い時」とする。
(昭六〇法四一・追加、昭六二法二七・平五法二六・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十一の三繰下・一部改正)


(出願の変更の特例)
第百八十四条の十六
 実用新案法第四十八条の三第一項又は第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願の特許出願への変更については、同法第四十八条の五第四項の日本語実用新案登録出願にあつては同条第一項、同法第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願にあつては同項及び同法第四十八条の五第一項の規定による手続をし、かつ、同法第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第四十八条の十六第四項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない。
(昭五三法三〇・追加、昭五九法二三・昭六〇法四一・昭六二法二七・平五法二六・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十二繰下・一部改正)


(出願審査の請求の時期の制限)
第百八十四条の十七
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後国際特許出願の出願人以外の者、国内書面提出期間の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。
(昭五三法三〇・追加、昭五九法二三・昭六〇法四一・昭六二法二七・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十三繰下)

(拒絶理由等の特例)
第百八十四条の十八
 外国語特許出願に係る拒絶の査定、特許異議の申立て及び第百二十三条第一項の審判については、第四十九条第五号、第百十三条第一号及び第五号並びに第百二十三条第一項第一号及び第五号中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、第四十九条第五号、第百十三条第五号及び第百二十三条第一項第五号中「外国語書面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(平六法一一六・追加・一部改正)


(訂正の特例)
第百八十四条の十九
 外国語特許出願に係る第百二十条の四第二項及び第百三十四条第二項の規定による訂正並びに第百二十六条第一項の審判の請求については、同条第二項中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、「外国語書面」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。
(平六法一一六・追加・一部改正)


(決定により特許出願とみなされる国際出願)
第百八十四条の二十
 条約第二条(Z)の国際出願の出願人は、条約第四条(1)(U)の指定国に日本国を含む国際出願(特許出願に係るものに限る。)につき条約第二条(XV)の受理官庁により条約第二十五条(1)(a)に規定する拒否若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第二条(XIX)の国際事務局により条約第二十五条(1)(a)に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。
2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。
3 特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。
4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた特許出願とみなす。
5 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての出願公開については、第六十四条第一項中「特許出願の日」とあるのは「第百八十四条の四第一項の優先日」と、同条第二項第六号中「外国語書面出願」とあるのは「外国語でされた国際出願」と、「外国語書面及び外国語要約書面」とあるのは「第百八十四条の二十第四項に規定する国際出願日となつたものと認められる日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面及び要約」とする。
6 第百八十四条の三第二項、第百八十四条の六第一項及び第二項、第百八十四条の九第六項、第百八十四条の十二から第百八十四条の十四まで、第百八十四条の十五第一項、第三項及び第四項並びに第百八十四条の十七から前条までの規定は、第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。
(昭五三法三〇・追加、昭五九法二三・昭六〇法四一・昭六二法二七・平三法三〇・平五法二六・一部改正、平六法一一六・旧第百八十四条の十六繰下・一部改正、平一一法一六〇・一部改正)