第113条 何人も、特許掲載公報の発行の日から6月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号の一に該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、2以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。
第114条 特許異議の申立てについての審理及び決定は、3人又は5人の審判官の合議体が行う。
2 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号の一に該当すると認めるときは、その特許を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。
3 取消決定が確定したときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
4 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号の一に該当すると認めないときは、その特許を維持すべき旨の決定をしなければならない。
5 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第115条 特許異議の申立てをする者は、次に掲げる事項を記載した特許異議申立書を特許庁長官に提出しなければならない。
1.特許異議申立人及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
2.特許異議の申立てに係る特許の表示
3.特許異議の申立ての理由及び必要な証拠の表示
【則】第45条の2
2 前項の規定により提出した特許異議申立書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、第113条に規定する期間が経過するまでにした前項第3号に掲げる事項についてする補正は、この限りでない。
3 審判長は、特許異議申立書の副本を特許権者に送付しなければならない。
4 第123条第3項の規定は、特許異議の申立てがあつた場合に準用する。
第116条の2 特許庁長官は、各特許異議申立事件について審判書記官を指定しなければならない。
2 第144条の2第3項から第5項までの規定は、前項の審判書記官に準用する。
第117条 特許異議の申立てについての審理は、書面審理による。ただし、審判長は、特許権者、特許異議申立人若しくは参加人の申立てにより、又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。
3 共有に係る特許権の特許権者の一人について、特許異議の申立てについての審理及び決定の手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、共有者全員についてその効力を生ずる。
第118条 特許権についての権利を有する者その他特許権に関し利害関係を有する者は、特許異議の申立てについての決定があるまでは、特許権者を補助するため、その審理に参加することができる。
第120条 特許異議の申立てについての審理においては、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。
2 特許異議の申立てについての審理においては、特許異議の申立てがされていない請求項については、審理することができない。
第120条の2 同一の特許権に係る2以上の特許異議の申立てについては、その審理は、特別の事情がある場合を除き、併合するものとする。
2 前項の規定により審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることができる。
第120条の3 特許異議の申立ては、次条第1項の規定による通知があつた後は、取り下けることができない。
2 第155条第3項の規定は、特許異議の申立ての取下げに準用する。
第120条の4 審判長は、取消決定をしようとするときは、特許権者及び参加人に対し、特許の取消しの理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
【則】第45条の3
2 特許権者は、前項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
1.特許請求の範囲の減縮
2.誤記又は誤訳の訂正
3.明りようでない記載の釈明
【則】第45条の3
第120条の5 特許異議の申立てについての決定は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
1.特許異議申立事件の番号
2.特許権者、特許異議申立人及び参加人並びに代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
3.決定に係る特許の表示
4.決定の結論及び理由
5.決定の年月日
2 特許庁長官は、決定があつたときは、決定の謄本を特許権者、特許異議申立人、参加人及び特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者に送達しなければならない。